目指すは20代で1000億円企業!!Kurashiruの評価
今回は26才の若手経営者が率いるdely株式会社の料理アプリ「Kurashiru」を評価していきます!
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1. 「Kurashiru」とは
簡単でおいしい料理の作り方の動画を見ることができる料理アプリです。
2. サービスのカテゴリー
料理、動画
3. 背景
Kurashiruを立ち上げた時は、料理動画を単独で扱うアプリはなかったらしいです。すでにクックパッドなどのウェブで見ることができる料理サービスはありました。しかし、消費者は、いつでも手元にあって日常的に使えて、見たいときにパッと検索して簡単に見られるものを求めていました。
4. ニーズ
これら背景から生まれる、
・簡単に料理を検索したい!
・簡単に料理を作ることができるツールが欲しい!
・いつでも料理を考えられるようにしたい!
などといったニーズをKurashiruは解決しています。
5. ターゲット
Kurashiruの主なターゲットは、20代から40代の女性です。
6. ターゲット市場
ターゲットとしている市場は、料理レシピ市場と、そこから展開される生鮮市場の二つでしょう。
料理レシピ市場に関しては、具体的な数字を掴むことはできませんでしたが、業界シェア一位のクックパッドのレシピサービス事業の売上高が130億程なので、少なくて200億、多くて300億円くらいの市場だと思います。
これに対して、生鮮の市場規模は、年間15兆円とも言われる大きな市場です。この架け橋をすることが、Kurashiruの目標だと思います。
7. サービス内容
Kurashiruのサービス内容は、とてシンプルで、気に入った料理の写真を見つけてタップするだけで、その料理の作り方の動画と詳しい材料を見ることができます。
8. ビジネスモデル
Kurashiruのマネタイズ手段は2つあります。
一つ目が、月額480円で人気レシプのランキング検索ができる有料会員サービスです。しかし、憶測ですが、有料会員の伸び率を発表していないので、あまりうまく進んでいないように思えます。
二つ目が、タイアップ広告です。動画内で、スポンサー企業の提供された食品や調理器具を使うことでの広告効果を対価に、お金をいただきます。これがKurashiruのメインの収入源となっているようです。
9. 競合
国内の大きな競合としては、「クックパッド」と「DELISH KITCHEN」の二つが挙げられます。
まず、料理動画ではなく料理画像を提供するのが、クックパッドです。運営側ではなく、ユーザーが直接投稿する両サイドのプラットフォームです。料理レシピ業界の古株で、DAU(1日に訪れるユーザーの数)もKurashiruを上回っています。何よりも、SEOで常に料理の検索結果の上位に来るため、膨大な広告費用を投下する必要がないことは、最大の強みでしょう。
次に、DELISH KITCHENは、Kurashiruとほとんど同じの料理動画アプリです。決定的な違いは、アマゾンジャパンと連携しており、レシピの調理に必要な食材をAmazonフレッシュでの購入ができるということです。
Kurashiruは海外にも展開しているため、料理動画サービスを提供しているアメリカのテイスティや同じくアメリカのテイストメイドなども競合と言えるでしょう。
そして、なにより最近の競合としては、TikTokが挙げられます。僕も驚いたのですが、TikTok内で、料理の動画を挙げている人もいるらしく、しかも結構受けがいいらしいです。おそろしいです。
10. 差別化要素
Kurashiruの強みは、2つあると考えられます。
一番の強みは、低コストで質の高いコンテンツを量産できるシステムにあります。料理動画をとる専用のスタッフが、全員で30名ほど在籍しており、そのうち毎日10人ほどがオフィス内のスタジオで各自5本ずつ、合計1日50本の動画を作成しています。しかも、コンテンツ作りがフォーマット化されているため、低コストで質の高いコンテンツが量産できるわけです。
CEOの堀江さん自身が公言している二つ目の強みは、システムの優位性です。適切なタイミングで適切なコンテンツを適切な場所に置くことをシステムの優位性と呼んでいるそうで、これによって戦略的にユーザーを惹きつけているみたいです。
11. 現時点での進行度
Delyは2017年10月期の売上が2億8900万円、営業損益が△30億6700万円と大幅な赤字です。この大きな要因が、人件費などの膨大な固定費が動画作成にかかっていることだと思われます。
2018年6月時点で1200万ダウンロードを達成し、レシピ動画数が世界一になりました。ちなみに1000万ダウンロード達成の早さは、スマートニュースと同じ早さらしいです。メルカリよりは、半年近く遅いのだとか。
2018年7月には、同業のもぐーを買収しました。delyの最初の買収案件となります。
12. 新たな挑戦
やはり、今後の展開で注目しなくてはいけないのは、Yahooとの関係でしょう。2018年7月にYahooがdelyに93億円を出資しました。CEOの堀江さんの株式比率をそのままにしたまま、既存の株主から買い取ることでdelyの株式の45.6%の比率を持つことが可能になったらしいです。
これによって、delyはYahooから助けを得ながら堀江さん経営権は守られ、Yahoo側も営業利益を決算に取り込めるようになります。他にも、Yahooの検索エンジンのSEO対策や、yahooショッピングLiveを活用したライブコマース事業や、EC事業など多くのチャンスがあるとのことです。
堀江さん曰く、この提携は、delyが一兆円企業になる布石らしいです。ちなみに、堀江さんが公言しているこの1兆円企業についてですが、Techcrunch tokyo 2018で堀江さんがラウンジで話されていた時は、みんなが1000億と言っている中、ゼロを一つつけないとインパクトがない的なことを言っていました笑
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評価
以上がKurashiruの概要です!ここからは、Kurashiruを五段階評価していきます!今回からは、新たに評価の基準に「戦略性」を付け加えました!戦略的に経営ができているかという意味で使っていきます。
将来性 (需要の高まりが期待できるか)
★ ★ ★
新規開拓性 (今のサービスを軸に他の領域に進出できるか)
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独自性 (模倣可能性が低いか)
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持続性 (全てのプレイヤーが継続的にサービスを使うか)
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ビジネス性 (儲かる仕組みか)
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戦略性 (戦略的に経営ができているか)
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サービスで差別化を生んでいるというよりも、そのサービスをどう生かすかの戦略の方で差別化をしているイメージがあります。これは、堀江さんの戦略家としての才能でしょう。特に、 FacebookなどのSNSメディアを活用した分散型メディアとして始めた点や、ウェブではなくアプリに注目したこと、デジタル広告やテレビCMなどに積極的に投資してきたことは大きいと思います。おそらく、kurashiruに関しては、サービスよりも経営での差別化が効いている珍しいスタートアップです。経営のセンスはものすごくあるのだろうなと勝手に思っています笑
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